第18章 四国の旅4

 
 

四国の旅4〜高知−愛媛〜

12月31日(木)

神戸の陸さんと旅は道連れとなった。 大晦日なのでどこのお寺もお正月飾りできれいだった。人出も多く昨日までのお寺参りが嘘のようであった。

大晦日、元日のお寺参りははなは人にもみくちゃにされることとなる。

足摺岬のお寺についたときは足摺り観光の人たちでいっぱいだった。この観光客の人たちは主にどこからきてきるのかわからないが、はなを見て 「あ、犬だ!土佐犬かなあ」と声がした。

土佐犬、マラミュート…君たちの知名度をもっとあげるように努力しよう!

最初、陸さんははなをこわがっていた。 しかし次の日 朝、はなに「はなちゃん、おはよ」と声をかけてくれた陸さんに、はなは『陸さん、おはよ』の挨拶で顔をぺろっとなめた。「わかった、わかった」と陸さんもまんざらでないようだった。

はなのこういった態度は本当にみんなを犬好きにしてくれるので、うれしい。

足摺岬の近くの旅館に陸さんは泊まり、私はそこの駐車場に泊めていただくことになった。旅館のご主人は犬と2人で野宿旅行しているのがめずらしかったらしくいろいろ聞いてきた。そして、 夜、寝る支度をしていたら、ご主人登場、

「犬はどうしとる!」

「むこうで遊んでます。」

「犬は寝られるのか!」

「はい、慣れてますから」

「そうか」

朝、ご来光を見ようと6時30分におきて支度していると、ご主人登場、

「犬はどうしとる!」

「後ろにいます」

「犬は眠れたか」

「はい、ぐっすりです。ありがとうございました。」 私のことはどうでもいいらしい…。

天気も良くすばらしい御来光をみることができた。(旅館千竜駐車場泊)

ご来光のなかの”ありがたい”はな

1999年元旦 今年はいい年になると確信した瞬間

四国の4県のうち、徳島、高知、愛媛をたずねたが、全般的に言えることは…みなさん犬好きであるということ。はなを見て声をかけずにいられない様子で、どこでもみんなに可愛がってもらった。

驚いたことは、私ははなと暮らしはじめ10ヶ月「マラミュート」と認識されたことはない。ところが吉田さんを始め、「マラミュートですか?」とか「わあ、マラミュートだ」とか40番札所の住職さんなど「昔、マラミュート飼ってたんですよ、懐かしいなあ」とはなの顔をくしゃくしゃにしたりとか、四国ではメジャーな犬種のようである。

この8日間の旅ではなと私ははいろんな経験をし成長した。たくさんの人と出会い、たくさんの人の温かさに触れた。はなを通じてたくさんの人と話しをし、たくさんの人がはなの頭をなでてくれた。

はなの目にはいったいどのように写ったのか今度聞いてみよう。

今までは、はなには近所の公園も、北海道も同じだろうと考えていたが、確実にはなは旅先、四国を認識しているようだった。これからも、この旅は続けていきたいと心からそう思った。