北海道シリーズ 冬の北海道3

 
 

第四日目 襟裳岬へ

この章から野宿の旅という名をはずさせていただくこととなる。

先日2日間の橇の練習会で私は密かに心に決めていたことがあった。毎年年末年始の休みは北海道へ来よう!一週間でもいいから雪の中に犬といよう。と。

そこで起こってくる新たなる問題。kazuさんはそうでもないが、北海道地元の人は野宿を危険だとなかなか容認してもらえない。3頭マラミュートがいると水も凍らないほと暖かいのだがそのイメージがつかめないようである。あたりまえか・・・。泊まっていきなさいとおっしゃってもらってもこんな時期なので・・・
迷惑かけどうしのnojiである・・・31・1・2・3くらいはみなさんのところから離れ野宿をしようと思っていた。

今回は申し訳ないがちいちいさんのところに2日にお邪魔して3日には練習会に戻ろうという予定にしていた。

 

襟裳岬から3頭で初日の出を見ようというのが今回のプランであった。

昼過ぎにkazuさんちを出発して苫小牧〜襟裳を目指した。途中で3頭と食べる予定にしてた蕎麦も調理直前までにして・・・・準備万端だった。
新冠で温泉に入り露天風呂なんかでほ〜っと新年を迎えるすべての準備は完了していた。

静内を越え襟裳まで後30kmほどというところまで来ていた。道は濡れてはいたが圧雪もなく”余裕”だった・・・

一生忘れられない光景となる、右カーブを曲がったら・・・街頭に映し出される一面のブラックアイス。やばいと思ったときにはすでに60km/hは出ていた・・・そして左の尻から滑り出しハンドルを戻してももう右左へと車体を振らせるだけだった。

そのままガードレールに激突して車は止まった。

はなは相当怖かったようで様子を見に降りた私を押しのけはなは飛び出して行ってしまった。自動車がくるのではなを脇に逃がしそのままはなを車に戻すのに30分。散らばったバンパーや車体の破片を回収して・・はなを車に戻して、サラ優を確認するとゲージの中でこっちを見ていた。

110番通報をしたが、正確な住所がまったくわからないのでうろうろしていると派出所が目に入り駐在さんを呼ぶことになった。

年末31日にレンタカーもディラーも何も営業していないのだか近所の車屋さんに連絡が付き車を運んでもらうためのトラックで来てくれた。スペアタイヤで走れたのでそのまま工場へ入れて貸していただける代車へ荷物と犬を移動した。代車はFRのマーク2とかなり雪道とマラミュート3頭には似つかない車となったがちんまり荷物は納まり・・・キャリアの付いていない車だったので橇はラルゴといっしょに陸送してんもらうことになった。

もう道はカンカンに凍っていたので駐車場を貸してもらい野宿することにした 

シュラフに入りはなの上に足を乗せて「まいったなぁ」と落ち込み始めていたとき車をドンドンと叩く音が・・・
「中でいっしょに何か食べましょう!」と社長さんに誘っていただいた。

中へ入ると年越しの料理が並びたくさんの笑い声がしていた。

「座って座って」とビールをついでいただきおいしい料理に紅白歌合戦とnojiの最近の年末年始にはない暖かいものだった。 

遅れてくる親族に「親父が再婚したことにしよう!名前は??」とだましに使われ「新しい嫁さんなんだよ」「康子です、よろしくお願いします」なぞと事故ったなんてつい忘れる脳天気ぶり。本当に凹まずすんだ。感謝感謝の時間だった。 

犬3頭との旅行に興味津々なご家族に一通りの説明をして・・・最近のディズニーの映画の「バルト」の話をされた。なかなかの犬通であった。「犬はほしいけど今の状態では責任がもてない」とおっしゃっていた。 

子供たちには一番安心な優をノーリードで会わせ・・・・みんなは手に手にジャーキーを持ってはなやサラにもあげてくれた。一番下のみきちゃんは「優ちゃんご飯食べた?」「優ちゃんどしてる?」と仕切りに聞いてくれた。スイートな優ならではで大型犬のやさしさを見せてあげれたようだ。

橇も積めないし苫小牧からもうフェリーに乗って帰ろうかと思っていたが美瑛の橇に優を出さないと迷惑かけすぎだと・・・・次の日kazuさん、ビス父に電話した。kazuさんには繋がり状況を説明して・・・

「じゃ、橇を回収に行きましょう」

「いや・・・マーク2にキャリアがついていないんですよ・・・・」
「それはまた考えればいいでしょう。」

気軽に回収お願いして・・・・片道4時間半でした・・・31日から3日まで迷惑をかけないようにと・・・結果はなんと元旦から往復9時間とかの大迷惑となる。本当にごめんなさい。 

kazuさんと合流後、道の駅に車と犬を置いて車屋さんに橇を回収に行った。 

再度の訪問にみきちゃん「優ちゃん大会出れる?優ちゃんかわいいから優勝できるね」なんてかわいいことを言ってくれた。

しかし、2002年どえらい幕開けだった。
橇を回収して札幌に向かうことになった。

    

襟裳で食べるはずだったkazu夫人の御節料理
kazu家でいただきました。

 

本当にありがとうございました。>澤谷ご家族
迷惑おかけします>kazuさん

 

12月31日のコース:札幌〜襟裳途中三石             
澤谷家泊

1月1日のコース:三石〜札幌             
kazuさんち泊