南北海道犬橇大会

 
 

 

南北海道犬橇大会

道道での休憩の様子

北軽井沢の次に出る予定にしていたのが北海道の森町(もりまち)で開催される南北海道犬橇大会だった。

年末年始の北海道では帰りはマーク2になってしまったので橇を輸送してもらうことになりむらはし家にそのまま送ってもらっていた、その橇を見にむらはし家に行った時に

「森町の大会に出ようと思っているのですよ〜」なんて告白。

そして北海道までのルートと
「一台で行ったら半額だね〜」
「グレイの油が乗っているときに本場でどれくらいか試して見たいですよねぇ〜」

2台の橇を前に新しいソールにやられてしまった人たちは次の段階どうやって仕事を休むのかの話題になっていた。

私がなぜ北海道にこだわるのかは自分でもわからないので解説はできないがはなたちに2ヒート(2日連続で同じコースを走りトータルタイムで競う)のレースを走らせるのは本当に意義があると思っている。現に美瑛でもタイムは2日目の方がいい・・・レースで何をしていいか分かっていない犬に同じコースを間髪開けずに走らせられたらここでは全力で走るものと簡単に理解する。

 

2002年2月14日(木)

真夜中12時出発する。

 

2002年2月15日(金)

今回は一人で運転するわけではないので結構気楽な私だった。道のりは超順調であっという間(うそだが)に青森に到着、順当に函館〜森町宿泊先のワールド温泉牧場についた。

20時間の最短時間であった。この先、これを抜く記録は出ないだろう。

しかし乗っていた人はヨレヨレだった。村橋夫人はインフルエンザ気味・・・なんだかんだで大半を運転した村橋さんも目が開いているかどうかの瀬戸際。

速攻就寝となった。

 

2002年2月16日(土)

常に会場で野宿をするのじチームとむらはしチームは今回宿泊して疲れを取ろうと思った・・・のが大きな間違いで全員大寝坊。

ひっきりなし全員の携帯にkazuさんkazu夫人から電話が入るのだかだれも出ない。そして私がかけ直したときkazu夫人の「なにやっとんのー(~_~メ)(名古屋弁)」

会場入りしたのが1ドッグスタート5分前、船橋を途中で降ろして受け付けだけさせて私たちは挨拶そこそこ犬を下ろしハーネスをつけて橇の準備にそのままスタートだった。

そんなのでまともに走れるわけがない。グレイと村橋さんはいつもの様子とは明らかに違ったがそこはなんとかいつもの底力で4位につける。

サラはうんこだけはさせていたのにレース途中でウンチングポーズ・・・相当ふんばって親指の先のようなのを1つした。まさにあてグソ。

人員不足だったがなんとか1ドッグを終え一息ついていた。

 

そこへ「この犬はなんて種類だ?」と聞きに来たおじいさん2人。

「マラミュートです。」と答えたが「まらむーと?」おじいさんはなまっていらっしゃってそれが合っているのか間違っているのかは定かではなかった。

サムを指差して、「これは重いもの引きそうだなぁ。」話を聞けばばんば競馬の馬の牧場を持っているそうで・・・そりゃアラスカンよりマラミュートに興味があるに決まってるわねぇ。と妙に納得しながら話をしていた。

私はばんば馬は大好きなので逆におじいさん捕まえいろいろ話を聞いた。

「この犬は1頭飼うのに月どれくらいかかる?」
「??フード一日計量カップ2杯」
「たいしてくわんなぁ。」
「ばんば馬って大きさってどれくらいんなんです?」
「体高180くらいだ」
「ばんば馬は1ヶ月どれくらいかかるんですか?」
「何頭飼われているんですか?」
「稼ぐ馬ってどれくらい稼ぐんですか?」
「ばんば馬の牧場って人足りなくないですか?」
「求人は?働けますか?」

おっと、ここでも話がそれているようだ。

 

午後の2ドッグ・・・ここでは初めてサラと優でエントリーしていた。

喧嘩をしてしまう2頭・・・私はちょっと心配だったが後ろに2チーム控えているので2チームだけのパッシングならなんとかなると思っていた。心配だったのが平野に設置されているコースがスタート少し行ったところでフェンスがなくなりただの雪原になるだけだった。

ノーリードで走ることを教えてきたサラ優。。。。コースアウトは覚悟の上だった。スタートからは緩やかな登りで「3・2・1・GO」で飛び出した2頭。私は走り出したが既に遅れ、ペダリングも無駄に空を切った。

そのとき私は足を後ろに取られモモ、ふくらはぎを痛めてしまった。こげない(T_T)と橇に完全に乗って犬に任せ登って行くと・・・フェンスが切れるところになり「優!前!前!前!」と叫びつづけた。

優はしっかりトレイルを選びそのままコースを辿っていった。なんで分かるのか?疑問にも思いながら北軽井沢での二の舞にはならないぞ!と橇を操り・・

なんとか最後まで止まらず走り切り、ギリギリではあったがパッシングもされずに戻ってきた。13チーム中13位だったが本当に本当にうれしく、気持ちもよく、最高の気分だった。

グレイ&ランは2位につけていた。

その夜、kazuさんが犬を2頭出しているロバートというアメリカ人の家にみんなでお邪魔した。ロバートは日本語が不自由なのだがマラミュートのことが知りたくて仕方がない。彼はマラミュート2頭を使って観光客相手に橇のツアーをしている。kazuさんちから行っているロッキーとアンナというマラミュートの魅力にやられてしまったようで熱く熱くマラミュートのことを話していた。


サラ優2頭引き

はなもがんばったね。

グレイラン2頭引き
足並みぴったりだねぇ・・・。

サム1頭引き。貫禄。

サラ優2頭引き2

 

2002年2月17日(日)

kazu家も同じ宿を取り撮ったビデオで反省会&橇談義に花をさかせ・・・寝不足気味で会場入りをする。1ドッグは前日のタイムでの出走順になるので下位を占めた私たちが連続していた。そして私の足は痛くて走れないとも思っていた。

優のスタートの時スターターとしてロバートがスタートのところにいた。

「これがお母さんかい?」
「いいえ、娘です。」
「ああ!ロッキーに似てるなぁ、ロッキーと同じ目だよ。」
「グレイ似なので・・・」
(ちゅーかそんなこと今聞かないで!)

足が痛く・・・流すしかないのか?

はながネックであったが前をサラが出て行ったのをはなは見て少々興奮していた。娘を先に走らせるわけにはいかない。はなは3・2・1・GO!と共に走り出した。私は痛くない方の足でペダリングするだけで登れたし下ってこれた・・・。

2ドッグでは前日にも勝るとも劣らない走りでサラ優2頭は走った。

途中で前のハスキーのチームをパッシングすることになったが、優は立ち止って耳を立てたが「優!GO!」という言葉に我に返りトレイルを追った。

無事2頭引きも終了、13チーム中11位という結果だった。
グレイは1ドッグ2位、グレイ&ランで2ドッグ2位という好成績を収める

1台でいけるのもこの車だから

大御所2頭、超不機嫌です。

はなは自分がレースのためだけに
北海道にいることが許せないご様子

私たちはそれしか知らないので十分楽しいで〜す。

サム待機中

ラン笑ってるな。

 

北海道の橇をしている人たちには「マラミュート」とは橇ではもう使わない犬種である。しかし今回のグレイの遠征により少しは見直してくれたのではないかとひそかに思っている。