2006年度 本部展

 
 

 

こぼをショーに出し始めて、私がショーに参加し始めて1年半が経っていた。繁殖犬を目的としたリクエスト、ショークオリティの子犬を要求していたが、私はこぼを引き取る時に「こぼはショーに出さないから」と言ってきた。橇もショーも両方できないわ!と思っていた。

こぼは7ヶ月くらいの時、キャベツをせがむ姿に「こいつ、フリースティできてるんじゃない?」と感じた。ショークオリティを選んで出してくれたCarmenに対して、「ああ、恩返しできるかも?」がショーチャレンジのそもそものスタートだった。

こぼは5回のショーでチャンピオンを完成したが、その後もショーに出していた。その目的はいろいろあったが、その1つに・・・

ドッグスポーツの場にたくさんのマラミュートを見たい!と思い、たくさんな人たちと一緒に楽しんできた。今はどこの会場でもマラミュートの参加がある。

マラミュートはショーでの出陳は皆無の犬種である。ここもたくさんのマラミュートがでてくるよう期待し、私はマラミュートを人目にさらすためにショーに出していた。

 

2006年3月31日(金)

本部展は参加2回目だったが、今年も5グループは土曜日だった。これが何を意味するかというと・・・金曜日仕事から帰ったら犬を洗い、乾かし、仕上げ東京まで走るというどれも時間短縮のできない作業が待っていた。今年も職場の人の理解で早退で対応させてもらった。

本部展は4月1日(土)2日(日)と2日間のショーだが、マラミュートは1日目の土曜日だけなので、2日に長野の妙高である犬橇レースに参加しようとこぼと2ドッグにでる予定のジョジョと犬橇の用意を乗せて出発した。

 

2006年4月1日(土)

神奈川に入り、ブカボスを拾い、6時半会場入りを目指した。ベースが興奮した人間2人なので、道を間違え、かなり時間がかかった。会場入りの道は既にたくさんの犬と車で溢れていた。

マラミュートの審査は8時半開始だった。去年はオスの出陳が多かったのだが、今年はメスの出陳が多く、「繁殖の基本はメスである」の通り、メスたちの出陳の多い犬種は後に盛り上がってくる。期待したいところだ。

こぼは無事BOBをいただき、午後16時からのグループ戦の審査を待った。

 

グループ戦は去年より犬種が多かった。私はこの1年半でこのグループの犬を見ることに慣れ、ヨシワルシも分かるようになってきた。秋田はスティで立ったとき、すばらしかった。ハスキーはラウンドがきれのあるいい走りだった。毎度思うが、BOBを獲ってきた犬たちが並ぶグループ戦は犬好きにはたまらない。

こぼはそこでも無事4頭にピックアップされ、その中でグループ1席をいただいた。

 

KINGになった中部同様、こぼとハンドラーの宮家さんの息はピッタリで、他の犬種が審査を受けている間もこぼは宮家さんにじゃれ付き、会場から「あのマラミュート。いいねぇ〜」「かわいいねぇ〜」の声が聞こえていた。ショーに出す目的の1を達成している瞬間である。

<< グループ戦ムービー>>

 

さて、グループ1席となり、私は次の日まで居残りとなった。
宮家さんに犬をどうしたらいいのかを尋ねると、明日の夕方まで私が持ってていいということだった。既に気温が上がり、こぼは会場の暑さにグロッキー気味だったので、幸いとこぼを引き上げた。

ジョジョを連れているというくらい、本部展でのグループ1席はないと思っていたので、ブカボスにも「グループ1席になったら、横浜中華街で食べるぞ!」なんてホラを吹いていたが、本当になってしまった(>_<)

2006年4月1日(土)

ローミー母の庭先に、でかい車を停めさせていただき、ブカボスの家でぐっすり寝た。ジョジョは終始バリの中だったが、それが幸いして餌を食べれるようになっていた。それしかすることないもんね〜^_^;

ゆっくり出発して、13時に本部展の会場に到着した。まだブリード戦が行われており弱冠押している感じがした。こぼは車の中で既に暑く、1時間ほど、車につなぎ放置した。風が強く、横になっているこぼの体温を下げていった。

マラミュートが本部展の総合に絡むなんて、そう見れるものではない、とやの夫婦とかいさんが会場まで、生でその勇姿を見に来てくれた。

15時にこぼを預け、総合の時を待った。

 

グループ戦と同様、各グループ代表の犬たちはすばらしかった。ボーダーは、ライトの下で、黒いコートがピカピカ輝き、スタンダード解説のように首を下げ、背中を丸めハンドラーの前を走っていた。なぜハンドラーの先を走りラウンドできるんだろう。。。ブルドッグはスタイリッシュなボディに犬がリラックスして、本部展の舞台とか我関せずでマイペースのすばらしいラウンドだった。

こぼもこの大舞台にまったく関係なく、宮家さんと息の合ったショーイングをしていた。関係者ではない観客からも拍手が起こり、本部展という場所はドッグショーファンが多いことを実感した。

<<総合ムービー>>



KING候補3頭に選ばれ、RESERVE KINGとなった。
KINGはボーダーだった。。。BISはトイプードルだった。
 

入賞犬の詳細:ドッグチャンネル http://www.dog-ch.com/

ドッグショー速報を乗せているドッグチャンネルというページ。
ここにはグループ1席以上の犬が載るのだが、こぼがいつかこのページに載るのを夢見て、私はこのページをず〜っとず〜っとず〜っと見ていた。諦めていただけに、このページへの記載は本当に嬉しかった。

 



私がこの1年半、20ほどのドッグショーを見てきて、持っているイメージとしては・・・ショークオリティの犬がいて、仕上げ、ハンドリングがあり・・・ブリード戦、グループ戦、総合と対戦する犬たちの内容、それに関わるジャッジの重きを置いている点、好み、得意犬種・・・それが全て同じ方向を見ない限り勝ち残っていくことは難しい、っていう感じだ。自分が信じるピカイチの犬で参加し、ジャッジがそのピカイチの部分を評価してくれるのを待つ。こぼで言うとワーキングドッグである力を秘めた走り。筋肉である。今回は、それぞれの星が独自の軌道を描き回っているのが1列に並んだような、そういう巡りが私たちに巡って来た。そんな感じだった。


こぼをアメリカへ迎えに行ったのは、丁度2年前になる。

ショーに出せるかも?と思った時から、ブリード戦が成り立たない今日、私のハンドリングでグループを上がっていかないとカードも貰えないし、てこずるのが見えていた。こぼは私が繁殖した犬ではない。Carmenたちの期待の犬だ。失敗するわけにはいかなかった。

信頼できるハンドラーさんを探していたところ、宮家さんを紹介していただいた。電話をして・・・犬を見て欲しいと宮家さんの犬舎を岡山まで尋ねた日から、土砂降りのショーデビュー、唯一私がハンドリングしたナイターとなったクラブ展。。。毎週のチャリでのトレーニングに、大会参加、キングにリザーブキング。本部展の帰り道はいろいろいろいろな思いが巡り。。。
 

こぼは、私の理想とする「パーフェクトなマラミュート」ではない。

いいところもたくさん持っているが、いくつも欠点を抱えている。その中には生まれ持ったもの、橇のトレーニングで起こってくること、今の生活環境でなってしまっているもの含まれている。

こぼのマラミュートとしてのボディのいいところ悪いところ、それらを私は完全に認識している。

そんなこぼは「こぼ」として、こぼのパーソナリティと、ショウイーな性格、宮家さんと一緒にいられる「ショー」を心から楽しみ、それは見ている人たちにも伝わってくるほど自然で無理のない世界だ。

宮家さんもこぼの欠点も掠めてしまうほどのショーイングを見せてくれる。今回、ブリード戦、グループ戦、総合と3回のショーイングを見たが、宮家さんとこぼは終始、和やかでシャープなショーですばらしかった。

 

こぼをショーに出すこと、宮家さんにハンドリングをお願いすること、本当にいろいろな方面よりいろいろな角度で、いろいろなところでいろいろ言われた。今思っても何が起こった?!って言うほど笑ってしまう状態だった。

常に、私は地に足をつけ、そもそものショー参加の目的は今も見失っていない。こぼと必死に走ってきたのも、こぼのブリーダーたちが日本に送るこぼに期待を込め、私に送り出してくれたことへの恩返し、仕上げを失敗していないことの証明。この2年間の私とこぼの結果をこぼのブリーダーたちは認めてくれている。

【Special Thanks!】

Co-Owner and Breeder
Carmen Rowe
GRYHPON Alaskan Malamute

Co-Breeder
Twila Baker
QUINAULT Alaskan Malamute

Breeder
Jocelynn Knoll
SnoShire Alaskan Malamute

人生にはいろいろな岐路があり、苦渋の選択をすることが多い。私の人生にもいろいろな岐路があった。その選択が間違っているか、そうでないかはその後の生き方が大きく影響をする。私はそう信じているので、選択で大きく方向を変えた場合は必死でそれが正しい選択であったことを証明する。

こぼの加入も悩み決めた。Carmenも悩み、決めた。結果『よかった』とするためにはよかった、にすることが必要だった。

思い直しても、どの時点でも判断は間違ってはいない。人にはそう見えないのかも知れないが、こぼと私と他の犬たちの活動は私の信念理念の上に行われている。

ショーで言えば、こぼは私独自の理論の元トレーニングをして仕上げた犬である。それをドッグショーの会場でどう評価されるのか知りたかった。 トレーニングの成果を本部展の大舞台、スポットライトの下で見れた。感無量である。

 

まだまだ実現できていないものもあるし、実現できたものもある。実現したいこともまだまだたっくさんある。これを1つの通過点をして1つ1つ実現していきたい。

 

このR.KINGはこぼのショーチャレンジでの1つの区切りと思っている。やっと1つの区切りが来た。次のステップはAKCのショーチャレンジである。Carmenが満を持しての繁殖のピカイチの犬を私に託してくれた、そのお礼に仕上げて、こぼをアメリカに戻す時が来る。そこからまたこぼと私とCarmenのドキドキハラハラの楽しい時間がやってくる。
 



ドッグショーの世界をまったく知らない私が無謀にもお願いした^_^;宮家さんとCapricorn Show Dog Kennel の方々には、私とこぼの受け入れを本当に感謝している。

ありがとうございました。